韓国政府の矛盾した慰安婦合意の新方針は文大統領の苦肉の策

1月8日に韓国政府が日韓慰安婦合意について、新方針を発表しました。

https://www.asahi.com/articles/ASL194RPYL19UHBI00Y.html

新方針の内容については以下になります。

 一、韓国政府は慰安婦被害者の方々の名誉と尊厳の回復と心の傷の癒やしに向けてあらゆる努力を尽くす

二、この過程で、被害者や関係団体、国民の意見を幅広く反映しながら、被害者中心の措置を模索する。日本政府が拠出した「和解・癒やし財団」への 基金10億円については韓国政府の予算で充当し、この基金の今後の処理方法は日本政府と協議する。財団の今後の運営に関しては、当該省庁で被害者や関連団 体、国民の意見を幅広く反映しながら、後続措置を用意する

三、被害当事者たちの意思をきちんと反映していない2015年の合意では、慰安婦問題を本当に解決することはできない

四、2015年の合意が両国間の公式合意だったという事実は否定できない。韓国政府は合意に関して日本政府に再交渉は求めない。ただ、日本側が自 ら、国際的な普遍基準によって真実をありのまま認め、被害者の名誉と尊厳の回復と心の傷の癒やしに向けた努力を続けてくれることを期待する。被害者の女性 が一様に願うのは、自発的で心がこもった謝罪である

五、韓国政府は、真実と原則に立脚して歴史問題を扱っていく。歴史問題を賢明に解決するための努力を傾けると同時に、両国間の未来志向的な協力のために努力していく

どうやら、韓国政府は慰安婦合意の破棄はしませんでした。ですが、日本が自発的に謝罪を行うことを期待するという形で、日本に責任転嫁をした形になります。

文大統領の政権内や支持基盤は左派運動家たちです。運動家たちにとっては日韓合意は目の上のたんこぶで、一刻も早く破棄したいのが本音ですが、もし本当に破棄した場合、日韓関係は河野外相が言う通り「コントロール不能」に陥ることになります。韓国のナショナリズムと日韓関係に板挟みになった結果、打ち出されたのが今回の新方針だったと言えるでしょう。

韓国政府は、日本が「自発的」に謝罪をすることを求めていますが、日本はこれを拒否することができます。なぜなら、日韓両政府も日韓合意を破棄しておらず、合意の中に「最終的に不可逆的な解決」という文言がある以上、韓国政府は直接的に謝罪を求めることはできないのです。

ですので、日本政府はいままで通り「合意を履行せよ」というかたちで韓国政府に求めることが得策です。

問題はここからです。

二、この過程で、被害者や関係団体、国民の意見を幅広く反映しながら、被害者中心の措置を模索する。日本政府が拠出した「和解・癒やし財団」への 基金10億円については韓国政府の予算で充当し、この基金の今後の処理方法は日本政府と協議する。財団の今後の運営に関しては、当該省庁で被害者や関連団 体、国民の意見を幅広く反映しながら、後続措置を用意する

元慰安婦47人のうち34人が既に、財団から現金を受け取っています。元慰安婦全員が「日本政府の現金は受け取れない」と断じることは、それこそ元慰安婦の声を無視することになります。さらに支給された現金も韓国政府の予算に置き換えるようです。これでは日本政府が拠出した現金が宙に浮く形になりますが、韓国政府はどう決着をつけるのか展望が見えません。

すくなくとも、韓国政府が少しでも慰安婦合意を反故するような姿勢や行動をした場合、日本政府は多様な対抗策を用意してほしいと思います。