鈴置高史「朝鮮半島201Z年」

書評です。

朝鮮半島201Z年

朝鮮半島201Z年

著者は日経ビジネスの朝鮮半島コラムで有名な鈴置氏ですが、この本は仁川国際空港のそばで南北海軍が交戦を開始し、事態が次々と悪化すると、韓国はどう対応するのかを小説形式で描いたフィクションになっています。

以下はネタバレになりますが、仁川国際空港のそばで南北海軍が交戦し、同空港は全面閉鎖に追い込まれ、韓国は通貨危機に襲われますが、日本は反韓感情によって韓国を救済しようとしません。結局韓国は中国に助けを求める形で事態は収束しますが、それは日米韓の防衛の枠組みが毀損し始めます。

ついに北朝鮮が核兵器を完成させ、日米は日本海にイージス艦を展開しますが韓国がそれを妨害します。韓国が政治的・経済的に中国・北朝鮮に傾斜したためです。

最後は韓国は米国との同盟を打ち切り、韓国が外交的に中立化します。これによって日米対中北韓の構図ができあがるというのが概略になります。この小説の面白いところは、日米韓の枠組みが韓国が中国に傾斜することで崩れ始めることをある程度予言していることです。

現実がこの小説の通りの動くのならば、北朝鮮が核兵器を完成させ、韓国が中立化することになりますが、現実がこの小説通りに動くのか。これから東アジア情勢に目が離せません。